三か院の一つ華蔵院の庭園のアジサイが咲いています。蜂が飛んで来てアジサイの蜜を集めているようです。
あじさいIMG_0502
今回は、慈恩寺に残されている修験道の開祖「役小角(えんのおずぬ)」の像を紹介します。 

役小角は西暦634年に生まれ68歳で没した飛鳥時代から奈良時代の呪術者と伝えられています。17歳で奈良の元興寺で孔雀明王の呪法を学んだ後に奈良県御所地方の葛城山から金剛山で山岳修行を行い吉野の金峰山で蔵王権現を感得して修験道の礎を築いたといわれています。
また、修行によって鬼神を使いこなせるほどの法力を持ち呪術で人々を惑わしているとされ伊豆島に流罪になったとも伝えられています。
修験道は奈良時代に役小角が創始したとされるが生年や没年など歴史的な背景から考えてみても実在の人物であったにもかかわらず謎の部分が多く伝説的なところが大きいとされています。
慈恩寺に残されている役小角の像と二躯の行者像、前鬼(ぜんき)と後鬼(ごき)の五躯の像は江戸時代の中期に作られたもので四躯は木造ですが行者像の一躯は珍しく芯の部分は木で回りを土で被った塑像です。
前鬼は男の鬼で斧を持って道を切り開く姿で後鬼は女の鬼で役壷を持って後を歩く姿といわれています。また、前鬼は赤鬼で陽を表し後鬼は青鬼で陰を表すといわれています。
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   * 役小角像と行者像 右が前鬼 左が後鬼