慈恩寺の修験者が行場としていた葉山山頂まで直線にして約15kmあります。
14|峯中地図CCF20170214
図録「慈恩寺修験資料」より
14|葉山へ修験道地図CCF20170217_3
今回は、慈恩寺修験が行われていた慈恩寺の背後に連なる葉山までを紹介します。 

「一の宿・新山堂」
峯中を行う最初の行場・篭堂(こもりどう)でした。
床締めや笈さがしといわれる様々な修行が行われ座席も厳格に決められていました。
約80種にも及ぶ山伏言葉も覚えなければなりませんでした。 
*笈は山伏が仏具などを入れて背負うもの。
14|笈IMG_0375
 「 閼伽井(あかい)沢」
修行や食事に使う水を汲み取った場所で小さな井戸がありますした。今もその跡が残っています。
「山王台」
閼伽井沢を右に上ると山王台があります。
天狗の相撲場といわれた場所で相扠(そうさ)相撲といって凶戯との格闘技を行っていました。
今は、公園になって見晴らしの良い展望台になっています。
「二の宿・高森」
遠山権現が祀られ篭り堂になっていました。
柴燈護摩を炊き様々な行が行われていました。沼があり夜中に周回する恐怖の行があったようです。
「三の宿・愛染ケ岳」
葉山を下りた後の慈恩寺修験の立峯の中心地で剣天上や化けの嶽などの急峻な岩場があり崖を登り谷の急斜面を滑る荒行が行われました。
頂上には太い松があり霊的な場所を感じさせます。
ここまでは慈恩寺から直線にして約6kmです。
14|愛染嶽の松IMG_8251 のコピー
「大円院」
平安時代に建立されたといわれる葉山中腹にある寺院で葉山に登拝する修験者が集まっていました。
周囲には多くの行者のための宿坊もありました。
今は樹林の中に建物の土台石が残っています。
「奥の院」
葉山の山頂には奥の院がありました。
今は鐘を打ち鳴らせるようになっています。

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