本山慈恩寺境内の周りの木々も落葉しました。いよいよ冬に備えた準備です。除雪機の点検も済ませました。
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今回は、慈恩寺修験の柴燈護摩供について紹介します。
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柴燈護摩供は燃え上がる炎で煩悩を焼き払い息災(仏の力で厄や災いを除く)を全身全霊で祈祷する修験道の需要な修行・儀式といわれています。
真言密教の寺院などで行われている護摩供養に共通するところがあります。
護摩は平安時代前期に真言宗の開祖空海の孫弟子に当たる京都醍醐寺を創建した聖宝理源大師が始めたと伝えられ修験道にも取り入れられたことが始まりとされています。
柴燈護摩は野外で行う護摩行で修験者たちは山中で臨時に火炉うを作り柴や薪を積み重ね火を着けたことから真言系では「柴」の字をあてます。
また、天台系では柴燈護摩から火を採ったことから「採」字を使って採燈護摩と称するようです。
近年では伝統的な真言系当山派や天台系本山派に属さない流派や寺社などでは「お炊き上げ」などの独自の言い方をするところもあるようです。
柴燈護摩供の順序は修験者として心得ておくべき知識を尋ねる山伏問答や法弓、法剣、法斧、お祓いなどの諸作法に続き護摩壇に点火して経(祈願)が唱えられ願い事が書かれた護摩木を火中に投じて大願成就を祈願して終了です。
その後、焼けた炭灰の上を素足で歩く火渡りが行われます。
火渡りは火の上を渡ることによって心中の汚れや煩悩を焼き払い不動明王の加護を授かる祈願といわれています。
慈恩寺では明治5年以降途絶えていた柴燈護摩供を昭和35年に復活させ京都醍醐寺の流れを汲む真言宗当山派の宝寿院流で毎年9月第2日曜日に行われています。
本堂外陣に御祈願の護摩木を用意しております。参拝者が願い事を書いた護摩木を柴燈護摩供でお炊き上げ祈祷して願い事の成就を祈願しております。

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