ヨシミの「本山慈恩寺」ガイド

山形県寒河江市慈恩寺で「本山慈恩寺」のボランティアガイドをしています。ガイドの目から見たおよそ千三百年の歴史を持つ古刹「本山慈恩寺」の見どころや四季折々の移り変わりなどを紹介します。古刹・寺院めぐりや山形県の旅には「本山慈恩寺」にどうぞ。

2016年12月

今回は、慈恩寺で毎年9月第2日曜日に行われている柴燈護摩供を写真で紹介します。

1 導師と山伏が列を作り法螺貝を吹いて不動明王堂に向かいます。

IMG_5072 のコピー
DSC_1195 のコピー
2 導師と山伏が修験道の本尊「不動明王」に誓願します。
IMG_7694 のコピー
3 石段を上り柴燈護摩供の場所に向かいます。後に一般参拝者が続きます
DSC_1205 のコピー
DSC_1209 のコピー
4 白山堂を開き笈(おい)を納めます。DSC_1223 のコピー
5 祭壇に米や野菜などの供物をお供えします。
DSC_1224 のコピー
6 先達が祈祷して儀式が始まります。IMG_7724 のコピー
7 法斧(山中の邪気を祓い斧で木を切り出し護摩壇の柴を集める所作です)
DSC_1232 のコピー
8 法剣(剣で光の字を切って煩悩や悪魔を祓い護摩壇を清めます)
DSC_1246 のコピー
9 先達が山伏と一般参拝者を祓い清めます。
DSC_1265 のコピー
DSC_1264 のコピー
10 導師が護摩木を護摩壇に放り経(御真言)を唱え、続いて松明で火入れします。
DSC_1277 のコピー
DSC_1284 のコピー
11  山伏が不動明王の御真言を唱え祈祷が始まります。
DSC_1292 のコピー
12  護摩木に書かれた参拝者の願い事を読み上げて護摩木を火中に投じます。
IMG_7753 のコピー
DSC_1298 のコピー
DSC_1356 のコピー
13  白山堂を閉じて柴燈護摩供が終わります。

 

本山慈恩寺境内の周りの木々も落葉しました。いよいよ冬に備えた準備です。除雪機の点検も済ませました。
IMG_8331 のコピー
今回は、慈恩寺修験の柴燈護摩供について紹介します。
DSC_1292 のコピー
柴燈護摩供は燃え上がる炎で煩悩を焼き払い息災(仏の力で厄や災いを除く)を全身全霊で祈祷する修験道の需要な修行・儀式といわれています。
真言密教の寺院などで行われている護摩供養に共通するところがあります。
護摩は平安時代前期に真言宗の開祖空海の孫弟子に当たる京都醍醐寺を創建した聖宝理源大師が始めたと伝えられ修験道にも取り入れられたことが始まりとされています。
柴燈護摩は野外で行う護摩行で修験者たちは山中で臨時に火炉うを作り柴や薪を積み重ね火を着けたことから真言系では「柴」の字をあてます。
また、天台系では柴燈護摩から火を採ったことから「採」字を使って採燈護摩と称するようです。
近年では伝統的な真言系当山派や天台系本山派に属さない流派や寺社などでは「お炊き上げ」などの独自の言い方をするところもあるようです。
柴燈護摩供の順序は修験者として心得ておくべき知識を尋ねる山伏問答や法弓、法剣、法斧、お祓いなどの諸作法に続き護摩壇に点火して経(祈願)が唱えられ願い事が書かれた護摩木を火中に投じて大願成就を祈願して終了です。
その後、焼けた炭灰の上を素足で歩く火渡りが行われます。
火渡りは火の上を渡ることによって心中の汚れや煩悩を焼き払い不動明王の加護を授かる祈願といわれています。
慈恩寺では明治5年以降途絶えていた柴燈護摩供を昭和35年に復活させ京都醍醐寺の流れを汲む真言宗当山派の宝寿院流で毎年9月第2日曜日に行われています。
本堂外陣に御祈願の護摩木を用意しております。参拝者が願い事を書いた護摩木を柴燈護摩供でお炊き上げ祈祷して願い事の成就を祈願しております。

 護摩木IMG_0957護摩木IMG_0960

このページのトップヘ