大晦日の午後11時半過ぎから数百発の花火が打ち上げられ多くの人々が花火を見て初詣に参拝されていました。
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今回は、六番目の演目「二の舞」を紹介します。

二の舞は約十分間の舞で安摩の後に続いて舞われます。
仮面を着けた老爺と老婆の装束で舞うことから一般に「爺と婆の舞」ともいわれます。
老爺は咲面(さきめん)といわれる笑い面ををつけ老婆は醜面(しこめん)といわれる顔が腫れ上がったような醜い面をつけています。
この舞は装束や舞の動きから舞楽一般の舞とはかけ離れた印象があります。
老爺が安摩の笏(しゃく)と同じ笏を持ち安摩の舞いを真似たような動作で登場し、その後を老婆が這うように登場し二人の掛け合いのようなユーモラスで滑稽な舞が始まります。
老爺は懐から紙を取り出して老婆の顔を拭こうとしますが、老婆は嫌がるので懐から振り鈴を取り出して老婆に与えます。
老婆が興味あり気に鈴を振っている隙をみて顔を拭き取るというもの。次に老婆の腕をとってを立たせようとしますが、これも老婆が嫌がり二人がよれよれの動作になります。
仕舞には老爺の後を老婆が這うようにして舞台を引き上げます。
老爺が老婆をあやすなど大衆的で庶民的なユーモラスな舞です。
元々は天竺(今のインド北部)の土民の老夫婦の様相と伝えられております。
 二の舞は安摩と同じく婆羅門僧正に随伴して来た林邑(今のベトナム中部)の僧仏哲によって日本に伝えられました。
二の舞は慈恩寺一山の人が舞います。老爺の装束は藍染めで老婆の装束は紅花で当地方の特産の染料が用いられています。

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